アレルギー検査をより迅速かつ快適に行えるよう、最新のアレルギー検査機器「ドロップスクリーン」を令和7年2月に導入いたしました。ドロップスクリーンは、指先からほんのわずかな血液を採取するだけで、花粉、ダニ、ハウスダスト、食物など41項目のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対するIgE抗体量を一度に調べることができます。注射器を使わないため痛みがほとんどなく、お子様でも安心して検査が出来ます。院内検査にて30分で結果が得られます。このような特徴からアレルギー性疾患の診断・治療・管理が行いやすくなりました。
下記のような症状でお悩みの方は、アレルギーの可能性があります。ドロップスクリーン検査でアレルギーの原因を特定し、適切な治療や対策を行うことで、症状を改善し、より快適な生活を送れる可能性があります。
・肌が痒くて、かきむしってしまう
・顔、くび、うでなど露出部が乾燥して、赤く痒くなる
・特定の食べ物でじんま疹が出る
・特定の食べ物で口の中に違和感が出て腫れる、腹痛・下痢・吐き気がでる
・目がかゆい、ごろごろする、充血する
・咳、くしゃみ、さらさらした鼻水が出る
・目や鼻をこする、鼻をすする、口呼吸になっている
・ペットの世話をしたり、ペットがいる場所で目のかゆみ・鼻水・息苦しさがでる
・ゼイゼイ、ヒューヒューして息苦しい、特に夜間や早朝に症状が強くなる
・食事のあとに運動をすると、ゼイゼイして息苦しくなる
ドロップスクリーン検査は下記のアレルゲンに対するIgE抗体を調べることができ、アレルギーの悪化要因を特定するのに役立ちます。
・吸入系アレルゲン: 花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギなど)、ダニ、ハウスダスト、ネコやイヌのフケや垢、昆虫(ガ、ゴキブリ)、カビなど、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の原因になる物質を特定することで適切な予防や治療に役立ちます。特にスギとダニのアレルギーの特定は、根本治療である舌下免疫療法(後述)につなげることができます。
・食物系アレルゲン: 卵白、牛乳、小麦、ソバ、ピーナッツ、大豆、果物(リンゴ、バナナ、キウイ、モモなど)、魚(マグロ、サケ、サバ)、甲殻類(エビ、カニ)、肉類など。これらはアレルギー検査結果だけから食物アレルギーと診断されるわけではありませんが、実際の症状と照らし合わせて、食物アレルギーの可能性について判断し、対策につなげることができます。
検査時間 | 約30分 |
費用 |
健康保険の適応です。 18歳以下:松本市に在住のお子様は無料。他の市町村は各自治体の医療費助成制度をご確認ください。 大人:3割負担の方で約5,000円 ※別途、診察料・処置料・処方箋料などがかかります。 |
血液量 | 指先からの1滴 |
対象年齢 | 6歳以上を推奨。 |
①予約: ドロップスクリーン検査をご希望の方は、お電話または窓口にてご予約ください。
②問診: 現在の症状やアレルギーの既往歴などについてお伺いします。 いつからどのような症状が出始めたのか、どのような時に症状が悪化するのか、などをお聞きします。
③採血: 指先に小さな針を刺して、少量の血液を採取します。ほとんど痛みはありません。
④測定: 採取した血液をドロップスクリーン検査機器にセットし、約30分間測定します。
⑤結果説明: 検査結果に基づいて、医師が説明いたします。 検査が混み合っている場合は、後日改めて結果説明を行う場合があります。
⑥治療・対策:陽性となったアレルゲンを特定し、生活環境の改善などの具体的な対策を行います。また、必要に応じて薬物療法や舌下免疫療法などの治療法を検討する場合もあります。
当院では、アレルギー性鼻炎や花粉症でお悩みの方に対し、「舌下免疫療法(SLIT)」をご提供しています。この治療は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ舌の下に投与することで、体を徐々に慣らしていく方法です。スギ花粉症(1~5月)やダニアレルギー(1年中)の根本的な改善を目指します。
簡単な治療法: 錠剤や液剤を自宅で舌の下に置き、1分後に飲み込むだけ。通院の負担が少ない治療です。
安全性: 重い副作用はまれで、6歳以上のお子様から大人の方まで幅広くご利用いただけます。口内のかゆみや腫れが起こる場合がありますが、多くは一時的で治療を続けられるケースがほとんどです。
注意点: 即効性のある治療ではなく、効果を実感するまで数ヶ月かかる場合があります。また、治療中は医師の指示を守って頂き、定期的な受診を続けることが大切です。
長期的な効果: 数ヶ月後から鼻炎等のアレルギー症状が軽減する方もいますが、3〜5年間の治療を続けることで治療を中止したあとでも症状の軽減や消失効果が持続することが期待できます。
①初診・検査: アレルギーの原因を特定するため、問診・診察・ドロップスクリーン等によるアレルギー検査を行います。
②治療開始: 医師の管理のもと、初回投与を院内で行い、安全性を確認します。
③自宅での継続: ご自宅で毎日決められた量を服用していただきます。
④定期受診: 経過観察のため、1〜2ヶ月に1回の通院をお願いしています。
*スギ花粉症のシーズン中(1~5月)はスギの舌下免疫療法を始めることができません。また令和7年についてはメーカーでの薬の欠品のため、新規のスギ舌下免疫療法は10月以降の開始になります。ダニ舌下免疫療法はいつでも開始可能です。
「自分に合う治療か知りたい」「詳しい話を聞いてみたい」という方は、ぜひ当院までお問い合わせください。医師が丁寧にお答えし、あなたに最適な治療をご提案いたします。アレルギーから解放された快適な毎日の第一歩を、私たちと一緒に踏み出しましょう。